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後遺障害認定を受けた

1 後遺障害認定とは

後遺障害認定とは、交通事故によって生じた後遺障害について、その程度に応じた等級が認定されることです。後遺症に対する慰謝料や労働能力喪失に対する逸失利益といった後遺障害に対する損害金が、認定された等級に応じて受け取れることになります。
不法行為があった場合、被害者は加害者に諸々の損害賠償請求をするためには自ら主張立証しなければならないのが原則です。しかし、誰しもが被害者・加害者となり得る交通事故においては、特に評価の難しい後遺障害について基準を設けることで不公平や裁判に伴う負担を軽くする、というのが後遺障害認定制度です。

2 2019年度の後遺障害等級認定の概況

ここで、実際の後遺障害等級認定の状況を見てみましょう。損害保険料率算出機構が公表している『自動車保険の概況』(2020年度版)を紹介します。
2019年度における後遺障害等級別認定件数では、最も程度が軽い14級の30,675件が最多で全体の58.4%、次いで12級の8,556件(16.3%)、最も重い1級では806件(1.5%)が認定されています。後遺障害の系列別構成比では「精神・神経症状」が最多で全体の42.6%を占め、次いで「併合・相当」が39.5%でした。
注目すべきは後遺障害の認定率の低さです。保険金の支払い状況では、後遺障害について支払い請求が行われたのが1,069,866件であったのに対し実際に支払われたのは48,158件、わずか4.5%です。
さらに、認定結果に対する異議申し立ての状況を見てみます。2019年度に異議申し立てがされたのが11,585件であるのに対して、等級の変更が認められたのは1,747件となっており、成功率は約15%、こちらも「狭き門」です。大多数の方が「後遺症が残っているのに納得のいく補償をしてもらえない」という現実が見えてきます。
https://www.giroj.or.jp/publication/outline_j/

3 受けた等級認定に不満がある場合

医師から「症状固定」、つまり治療を継続してもこれ以上症状の改善が見込めない状態であるとの診断を受けた場合には、診断書をはじめ必要書類を自賠責損害調査事務所に提出して、後遺障害認定の申請を行います。多くの場合、1か月以内に審査結果が出ますが、高次脳機能障害など判断が難しい場合は数年を要することもあります。
では、審査の結果、納得のいく等級に認定されなかった場合や等級非該当の判断を受けた場合にはどう対応すべきでしょうか?認定結果の変更を求めるには、以下の3つ手段があります。

⑴ 自賠責保険会社に対する異議申し立て

審査結果に対して不服がある場合、加害者側の自賠責保険会社に対して異議申し立てをすることができます。異議の申し立て方には、加害者側の任意保険会社に手続きを任せる「事前認定請求」と、被害者が自力で資料や書類を準備して手続きを行う「被害者請求」の2種類があります。当初の後遺障害認定申請を「事前認定請求」で行った方でも、異議申し立てをするにあたっては、後悔のないように主体的に手続きを行う「被害者請求」を選択することをお勧めします。
異議申し立てがなされると、自賠責損害調査事務所があらためて審査を行うことになり、審査には通常2~6か月程度を要します。

【特徴】
回数制限がなく、また、申し立て自体には費用がかからないという特徴があります。したがって、症状固定後3年で請求権が時効消滅するまでは、何度でも、無料で申し立てをすることができます。
また、異議申し立てをしても認定済みの等級からは下がることはありません。一旦認定された等級に応じた損害賠償金を受領した上で、時間が許す限り再チャレンジを繰り返すことが可能です。
そして、原則として書面審査のみです。異議申立書に決まった形式はありませんが、単に認定結果が間違っていると指摘するだけでは、すでに自賠責損害調査事務所が厳格に審査を行っている以上、その変更を期待することはできません。新たな医学的資料(診断書、医師の意見書、医療照会に対する回答書等)を添付して申し立てる必要があります。

⑵ 自賠責保険・共済紛争処理機構への申請

⑴の異議申し立てが認められなかった場合、自賠責保険・共済紛争処理機構に調停 の申請することができます。自賠責保険への異議申し立てとの間に前後に関するルールがあるわけではありませんが、同機構の判断は裁判以外では最終のものとなるため、先に自賠責保険への異議申し立て、その後に機構への調停申請という流れがとられています。
同機構は法律で認められた裁判外の紛争処理機関(ADR)で、医師や弁護士、学者等の公正中立で専門的な立場にある第三者で構成されます。
審査には3か月以上かかることが多いようです。

【特徴】
費用がかからないのは異議申し立ての場合と同じですが、原則として1回のみしか申請できません。
また、審査は提出された書面についてのみ行われます。自賠責損害調査事務所とは別の第三者機関が判断することになるため、同じ内容の申請書を提出しても異なる結論に至る可能性もゼロではありません。しかし、異議申し立ての場合と異なり、資料等の追加提出が求められないことや1回しかチャンスがないことを考えると、認定の変更を求める根拠や資料をより強化すべきでしょう。
そして、同機構の判断は裁判外では最終的なものとなり、裁判以外の方法でその 結果を争うことはできません。

⑶ 訴訟

裁判所が紛争を強制的に解決する最終手段です。裁判では等級の該当性だけではなく、具体的な損害賠償金額をめぐっても争うことになります。実際には判決を待たずに、和解で終了するケースがほとんどです。

【特徴】
他の手続きと異なり、費用がかかる上に、解決まで長い時間(数年)を要するのが難点です。
また、裁判が進んでいく中で、主張立証が功を奏して上位の等級が認められることがありますが、逆に、被害者側が主張する等級よりも低い等級であると判断されるリスクもあります。
裁判所は自賠責保険で認定された後遺障害等級を参考にするため、裁判でも同様の認定がなされる傾向がありますが、ほとんどの訴訟では判決まで待たずに和解で終了しています。より有利な和解条件を引き出すためにも、交通事故事件を専門に扱う弁護士による精緻な主張立証活動が不可欠といえます。

4 まとめ

「後遺障害等級認定手続きを行ったが、結果に納得できない。」
このような場合にとり得る手段があります。しかし、結果の変更を求めるからには、
先の手続きよりも入念かつ重厚な準備が不可欠です。ご自身では対応が難しいとお考えの方は当事務所の弁護士にお任せください。

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